相続登記義務化 令和6年4月1日施行 ⑦
第2 相続登記等の申請義務
1 基本的義務
2 遺産分割が成立した場合の申請義務
3 代位による申請や官公署の嘱託により登記がされた場合の申請義務
4 過料
5 経過措置
第3 過料事件の手続
1 裁判所への通知(過料通知)
2 登記官が申請の催告を行う端緒
3 登記官による正当な理由の確認
前記第2の4の「正当な理由」の有無についての判断は、前記1(2)
の催告書において、「正当な理由」がある場合にはその具体的な事情を
申告するよう求めた上で、当該申告内容その他一切の事情を総合的に考
慮して行うものとする。
なお、相続登記等の申請義務の履行期間内において、次の①から⑤ま
でのような事情が認められる場合には、それをもって一般に「正当な理
由」があると認められる。もっとも、これらに該当しない場合において
も、個別の事案における具体的な事情に応じ、申請をしないことについ
て理由があり、その理由に正当性が認められる場合には、「正当な理由」
があると認めて差し支えない。
① 相続登記等の申請義務に係る相続について、相続人が極めて多数に
上り、かつ、戸籍関係書類等の収集や他の相続人の把握等に多くの時
間を要する場合
② 相続登記等の申請義務に係る相続について、遺言の有効性や遺産の
範囲等が相続人等の間で争われているために相続不動産の帰属主体が
明らかにならない場合
③ 相続登記等の申請義務を負う者自身に重病その他これに準ずる事情
がある場合
④ 相続登記等の申請義務を負う者が配偶者からの暴力の防止及び被害
者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第2項に
規定する被害者その他これに準ずる者であり、その生命・心身に危害
が及ぶおそれがある状態にあって避難を余儀なくされている場合
⑤ 相続登記等の申請義務を負う者が経済的に困窮しているために、登
記の申請を行うために要する費用を負担する能力がない場合