アテルイと朝廷1
奈良時代末期から平安時代初期の伝説的な英雄がいるとすれば、坂上田村麻呂と阿弖流為の2人になるかもしれません。知名度こそ劣りますが、劣勢の軍勢を率い、兵数と装備に優れた多数の朝廷軍を幾度と撃破した、ゲリラ戦の天才です。
当時の陸奥国は朝廷からすれば異民族が支配する蝦夷と呼ばれる異国の土地であり、その首領がアテルイでした。独立のために戦った彼はイングランドのスコットランド支配に向かって立ち上がった、ウィリアムウォレスや中国南宋の名将である岳飛とよく似た人生の系譜を送ります。
つまり祖国防衛のために戦争で無数の勝利をおさめながらも、最終的に処刑されるという悲運です。